いぼ(尋常性疣贅など)とは?
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)によって生じるイボは、ありふれた病気ですが、他の人や自分自身の他の皮膚にうつることから、早めの治療が必要です。
野田阪神駅前いまい皮フ科小児皮フ科アレルギー科では、皮膚科専門医の院長がイボ(尋常性疣贅など)の治療を行います。福島区、此花区でイボにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
原因
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)が皮膚の小さな傷や肌荒れから入って、3ヶ月から半年くらいするとイボになります。ヒトからヒトへの直接接触でうつりますので、イボを触ってはいけません。また、共用しているタオルや足ふきマットなど、間接的な接触感染もあります。
分類
1
尋常性疣贅
(じんじょうせいゆうぜい)
ウイルス感染によるイボで最も多く、顔、指、足底に出来やすいです。出来はじめは表面がツルっとしたドーム状ですが、大きくなると表面がザラザラした感じになります。足底にできた場合は盛り上がらないので鶏眼(ウオノメ)や胼胝(タコ)に間違われやすいです(図)が、イボは血管が豊富な病変です。顔や頭に生じた場合、鶏冠状といってニワトリのトサカのような形状になることがあります。急に顔にシミができた!という場合、おそらくシミではなく、ウイルスによるイボの可能性が高いです。顔のシミよりよっぽど簡単に治りますし、なによりうつりますので、早めの皮膚科受診をオススメします。
2
青年性扁平疣贅
(せいねんせいへんぺいゆうぜい)
平べったく盛り上がった多角形のやや濃い皮膚色のイボです。多発し、線上に複数個が並ぶことがあります。
3
尖圭コンジローマ
(せんけいこんじろーま)
性病の1つで、外陰部や肛門周囲に発症します。表面がツルっとした見た目のブツブツが多発し、顆粒状や鶏冠状の尖った見た目になります。なお、男性医師が担当するため女性の方の外陰部のイボ治療は行っておりません。
当院における治療
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液体窒素凍結療法
液体窒素(-196℃)を綿球に含ませ、病変部に接触させて凍らせることで、ウイルスに感染した細胞を破壊していきます。2週おきに繰り返します。炎症後色素沈着が残ることがあります。イボは血管の塊でできているため、液体窒素で治療した後に、イボの部分が赤い水ぶくれ(水疱、血豆)になることがあります。血豆が大きくなる場合、再診をお願いしています。分厚くなっているイボではスピール膏、サリチル酸で分厚い部分を除去していきます。
なお、特に足底のイボは治療に時間が必要です。足底でも水ぶくれができるように凍結したほうが早く治りますが、痛い治療になるので、患者さんと相談のうえ決定しています。
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内服療法など
ヨクイニン(ハトムギ種子)はウイルスを排除する免疫力をアップさせる漢方薬で、保険で処方することができます。その他にもイボの分厚くなっている部分を改善させる外用密封療法など様々な治療があります。
!日常での注意点
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)は正常な皮膚には感染しません。しかし、傷や肌荒れがあると、そこからウイルスが入ってきます。
- 足ふきマットやタオルは共通を避けて頂きたいですが、くつ下などの洗濯ものは別にしなくても、かまいません。
- アトピー性皮膚炎の方はスキンケアが大切です。
- 手荒れのスキンケアが大切です。保湿剤は保険で処方しています。
- ひげ剃りを通常のカミソリで行っている場合、電気シェーバーに変え、やさしく剃りましょう。
- 自分の手でイボをひっかいて、他の場所にうつしていることがあります。爪を短く切りましょう。自分でイボを潰すと出血するので注意しましょう。
当院ではイボだけではなく、イボになってしまった原因にもアプローチしていきます。
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執筆者:
今井康友(医学博士、皮膚科専門医、アレルギー専門医)