蕁麻疹(じんましん) とは?
蕁麻疹は湿疹とは異なります。皮膚がボコッと円形または不整形に盛り上がって赤くなり(膨疹と呼びます)、痒みや不快感を伴いますが、数時間で消えて無くなります。これが出たり消えたりを繰り返します。
夜から朝方にかけて毎日のように出現し、昼には完全に消えるといったパターンの患者さんの場合、皮膚科を受診する時間帯には何も症状が無いので、皮膚症状が無い状態で皮膚科に行って良いのか不安になるかもしれませんが、まさにこれが蕁麻疹の特徴ですので、当てはまる方はお気軽に受診ください。野田阪神駅前いまい皮フ科小児皮フ科アレルギー科では、皮膚科専門医、アレルギー専門医の院長が蕁麻疹の治療を行います。福島区、此花区で蕁麻疹にお悩みの方はお気軽にご相談ください。
蕁麻疹(じんましん)の原因
様々な原因がありますが、原因の1位は特発性、つまり原因不明の「普通の蕁麻疹」です。ただし、風邪、食べ物、ストレス、睡眠不足、アレルギー、薬剤(痛み止め)などで悪化することが知られており、これらが原因と言えるかもしれません。この特発性の蕁麻疹は、飲み薬が効きやすいという特徴がありますので、当院にご相談ください。特発性蕁麻疹に検査は必要ありません。
原因のある蕁麻疹の病型
原因のある蕁麻疹には、アレルギー(食べ物、薬剤、花粉症)によるものや、運動・日光・熱などの物理的・機械的な刺激によるもの、汗で誘発されるもの、遺伝性のもの、膠原病などの内科の病気によるものがあります。
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アレルギー性の
蕁麻疹
食べ物、薬剤、毒、特定の植物 (ラテックス)などによるアレルギーが原因です。特に、原因となる食べ物を食べてから10分くらいまでに口腔内の違和感を含めた症状が出てくる「口腔アレルギー症候群」では、当院では原因検索のために採血などでアレルギーの検査を行っております。最近増えてきているのが、花粉症(アレルギー性鼻炎)による食物アレルギーです。
【表:季節ごとのアレルゲン】
これは、花粉と食べ物が非常に似た構造をしているので、同時にアレルギーが成立してしまうと考えられています。例えば、スギ花粉症がある患者さんで、トマトを食べたらアレルギー症状が出るようになってしまうことがあります。
当院では、詳細な蕁麻疹のアレルギー検査をすることが可能です。また、このようにアレルギーに対応するには、小児科(内科)・耳鼻科・皮膚科のすべての横断的な知識が必要であることが分かって頂けると思います。当院の院長は、皮膚科専門医だけではなく、アレルギー専門医も取得しておりますので、蕁麻疹だけではなく花粉症やぜんそくなども含めたアレルギー全体を俯瞰した治療方法をご提案できます。
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食物依存性運動誘発
アナフィラキシー
小麦やエビを食べた後2〜3時間後に運動すると重症の蕁麻疹が起きるという病気です。10代に多いです。採血で診断することが可能です。
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コリン性蕁麻疹
アセチルコリンという、運動や入浴で汗をかくと出てくるタイプの蕁麻疹です(こりん星ではありません・・・)。小さい点状の蕁麻疹が多数出現するのが特徴です。「お風呂に入った後に全身に痒いブツブツが必ず出てくるが、体が冷えると自然に治っている」というのが典型例になります。飲み薬で治療します。
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血管性浮腫
(クインケ浮腫)
蕁麻疹が、唇やまぶただけに強く出ます。痒みがなく、数日続くこともあります。遺伝性のものや、薬剤(痛み止め、高血圧の薬)によって誘発されるものがあり、採血での検査が必要です。
当院における治療
悪化要因または原因のある蕁麻疹では、その原因を改善していきます。飲み薬としては、当院では第二世代の抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)を処方しております。できるだけステロイドの処方は避けています。その理由は、内服を止めたとたんに蕁麻疹が再発するからです。抗アレルギー薬で治療すると、最終的には薬を中止しても蕁麻疹が出なくなります。難治な場合、量を2倍に増量(または2剤併用)しています。抗アレルギー薬は近年改良が進み、眠気の副作用がないものを使えば、自動車でも(それこそ飛行機でも)運転できるようになりました。また、腎臓が悪くても使用可能な薬、肝臓が悪くても使用可能な薬、妊娠していても安全な薬、授乳中でも安全な薬と、その患者さんにあったお薬を処方しています。 なお、オマリズマブという注射の治療も保険適用になりましたが高額であるため当院の取り扱いは無く、基幹病院を紹介させていただいております。
!日常での注意点
食べ物(お酒、辛い物)、刺激(熱いお風呂)、運動、ストレス、睡眠不足といった悪化要因がある場合、それを避けるように生活習慣の改善をお勧めしています。 抗アレルギー薬は銘柄によって食後に飲むと効果が減るものがあるので、飲むタイミングに注意が必要です。また、内服薬の血中濃度が低くなる時間帯ができると、そこで蕁麻疹が再発することがあります。蕁麻疹が再発してから飲み忘れに気づくという患者さんが多いのですが・・・定期的に内服できるよう、工夫してみましょう。蕁麻疹が出ていない状態でもお薬を続けることで、蕁麻疹が出にくい体質に改善され、最終的にはお薬なしでも蕁麻疹が出ない状態になることが期待できます。
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執筆者:
今井康友(医学博士、皮膚科専門医、アレルギー専門医)