帯状疱疹とは?
※頭痛や食欲不振を伴う帯状疱疹(バットで殴られたような頭痛、食べられない、飲めない)の場合は、入院の適応ですので、最初から基幹病院または救急外来を受診されることをお勧めします。
水ぼうそう(水痘)は子どもの病気ですが、これが数十年ぶりに再発すると帯状疱疹になります。
まず、初期は痛みや知覚異常だけが数日から1週間先行します。まだ皮膚は正常です。次に、赤いブツブツ(浮腫性紅斑)ができて、さらに赤い部分の中に水ぶくれ(水疱)が多数できます。この水ぶくれは周囲に赤み(紅暈)を伴い、痛みも悪化します。最終的にすべてカサブタ(痂皮)になり、その1週間後にカサブタが脱落すると治癒ですが、50歳より後で帯状疱疹になると、20%の方が3カ月以上も、痛みが続きます(帯状後神経痛)。
重症な帯状疱疹の方や、糖尿病の方などは、痛みが長く続きやすいです。
野田阪神駅前いまい皮フ科小児皮フ科アレルギー科では、皮膚科専門医の院長が帯状疱疹の治療を行います。福島区、此花区で皮膚に痛みを感じたら、できるだけ早く、ご相談ください。原因がよく分からない皮膚のピリピリ・ビリビリが長く続いたら、その痛い場所に皮膚炎が出てこないか、よく観察しましょう。早期に治療を開始すると薬の効果が高いため、皮膚症状が出たらすぐに皮膚科を受診しましょう。
帯状疱疹の原因
子どもの頃に治ったはずの水ぼうそう(水痘)ですが、実は水痘・帯状疱疹ウイルスは体の中の神経に何十年も潜んでいます。年齢、薬剤、ストレス、疲労などによる免疫力低下によって、 水ぼうそう(水痘) が、数十年ぶりに活性化したのが原因です。3人に1人が発症すると言われています。神経を破壊するので痛みを伴います。
帯状疱疹の検査
1
Tzanck(ツァンク)試験
水ぶくれ(水疱)を採取し、顕微鏡で水痘・帯状疱疹ウイルスに感染している皮膚の細胞(多核巨細胞)を検出します。
2
デルマクイックVZV
水ぶくれ(水疱)の痕などをぬぐい取って、イムノクロマト法で水痘・帯状疱疹ウイルス抗原を検出します。帯状疱疹であるとの確定診断が可能です。
当院における治療
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飲み薬
抗ウイルス薬(アメナメビル、ファムシクロビル、バラシクロビルなど)を5~7日間内服します。1週間程度でカサブタ(痂皮)になってきます。
アメナメビルは腎臓に負担をかけない新しいタイプの薬で、1日に1回飲むだけで治療が完了します。一方、バラシクロビルは後発品の価格が安いという利点があります。また、強力な痛み止めを併用します。
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自費診療
帯状疱疹にならないための予防に、50歳以上の方にワクチンが使えます。バリシチニブやウパダシチニブといった帯状疱疹になる副作用のある薬の投与をする場合、開始2ヶ月以上前に、帯状疱疹ワクチン(1回目)の筋肉注射をオススメしています。現在ワクチンが品薄で供給体制は変化することから、希望される方は入荷状況をおたずねください。
!日常での注意点
- 安静にしてください。帯状疱疹の特徴として、体がだるくはならないので動けてしまうのですが、体はダメージを受けていますので、休息を取りましょう。
- 痛みは神経痛なので冷やすと悪化します。冷やさないようにしましょう。
- 帯状疱疹の皮膚からは水痘・帯状疱疹ウイルスが空気中に放出されます(覆っていれば大丈夫です)。したがって、帯状疱疹の患者さんから、水ぼうそう(水痘)にかかったことの無い乳幼児にウイルスがうつる可能性があります。その場合、乳幼児は帯状疱疹ではなく水ぼうそう(水痘)になります。ただし、水ぼうそうのワクチン(水痘ワクチン)を2回接種している場合は、ほぼ100%予防できます。いずれにせよ、乳幼児は定期接種となった水痘ワクチンを受けることが大切になります。
- 水ぼうそう(水痘)にかかったことある成人が帯状疱疹の患者さんに接しても帯状疱疹になることはありません。帯状疱疹は、自分の中に潜んでいたウイルスの再活性化によっておこります。
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執筆者:
今井康友(医学博士、皮膚科専門医、アレルギー専門医)