陥入爪(かんにゅうそう)と
巻き爪の違いとは?
巻き爪は、爪が巻いて丸くなってしまうことです。主に足の親指にできます。
巻き爪が原因のことが多いですが、爪の角が皮膚に突き刺さって肉芽や炎症・感染症を引き起こした状態が陥入爪で、強い痛みを伴います。
野田阪神駅前いまい皮フ科小児皮フ科アレルギー科では、皮膚科専門医の院長が巻き爪・陥入爪の治療を行います。「足の爪にばい菌が入った!」と思ったら、または福島区、此花区で陥入爪が治らないとお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
原因
1
爪の切り方
による巻き爪
爪白癬(爪の水虫)による爪の変形、爪の切りすぎ、靴が合っていない、骨の問題(外反母趾)、まったく歩かないこと(車椅子、寝たきりの方)などがありますが、圧倒的に多い原因は爪の切り方が間違っていることです。ついつい丸く切っている(ラウンドカット)にしている方がほとんどですが、巻き爪や陥入爪の原因となります。爪は歩くのに必要な臓器であり、足の親指には強い力がかかりますが、爪の角を切ってしまうと爪が皮膚に食い込んで、陥入爪となって炎症や痛みの原因となります。爪は真っ直ぐ切りましょう。
2
爪白癬(爪の水虫)
による巻き爪
最近、整骨院やサロンで超弾性ワイヤーによる高額な爪矯正(自費)がうまくいかなかった方で、爪白癬(爪の水虫)による爪の変形が原因であることが散見されます。正しい治療は爪の水虫の治療ですので、飲み薬を3ヶ月程度内服していただきます。水虫の治療はこちらをご覧ください。
当院における治療
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ばい菌、肉芽、水虫の除去
皮膚科に陥入爪(巻き爪)で受診される場合、爪の角が皮膚に食い込み、不良肉芽といって傷の治り損ないになり、ばい菌が付いたりして炎症を起こしている場合があります。化膿すると激痛ですので、皮膚科を受診してください。抗生物質の塗り薬、飲み薬で、まずは炎症を押さえることで痛みを改善します。適時、痛み止めも併用します。肉芽がある場合は塗り薬で除去します。爪の水虫がある場合は飲み薬で治療を行います。
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爪切り指導
特に既に巻き爪になっている方の場合、陥入爪の予防という観点からも「四角く切る」というスクエアーカット(スクエアオフ)が大切です(上図)。
陥入爪にならないように、足の親指の爪切りのポイントは
- 入浴後に切る(爪が柔らかい時に切る)。
- 爪の先端が四角い形になるように、横に真っ直ぐ切る。指の形に添って丸く切ってはいけません。
- 爪の両角を切り落とさないようにする。
- 爪を短くしすぎない。爪の先端と親指を同じ長さにする。
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爪切り
では、なぜ爪を丸く切ってはいけないのでしょうか?理由の1つに、爪棘(そうきょく)が出来てしまうことがあります(下図の赤丸)。
この部分がトゲとなって皮膚に突き刺さるのです。このトゲが刺さっている状態になると、自然には治りませんので、皮膚科受診が必要です。皮膚科ではこの爪棘の爪切り処置を行います。昔のように爪の幅を狭くするような陥入爪手術は最近では少なくなり、爪が温存できる治し方が多くなりましたが、手術やワイヤーを用いた爪矯正が必要な重症の場合は、他院を紹介しております。
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テーピング指導
高価なワイヤー治療(自費)を用いずとも、自分でテーピングができるようになると、8割くらいの陥入爪は治癒できます。当院では、まずこのテーピング指導をしっかり行っていきます。
!日常での注意点
爪切り以外にも、大きすぎる靴を避ける、先の細い靴やハイヒールを避ける、といったことも有効です。
寝たきりの方の場合、歩かないことによって爪はどんどん巻いてくるので、巻き爪になるのは仕方ないのですが、とにかく爪の角を残すことが非常に大切で、巻き爪を陥入爪にしないネイルケアを介護者が覚えることが重要です。
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執筆者:
今井康友(医学博士、皮膚科専門医、アレルギー専門医)