やけど(熱傷)はすぐに皮膚科へ
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今さっき、
やけどをした方
すぐに冷たい水などで冷やしてください。服の上からでかまいませんのですぐ処置してください。いつまで冷やすかは、体は15-30分、指先なら1時間くらいと言われています。やけどの部分が腫れるので、指にやけどをした場合指輪はすぐに外しましょう。冷やしながら、お近くの皮膚科に、できるだけ早く行くようにしてください。
福島区・此花区にお住まいの方で、やけどをした直後に野田阪神駅前いまい皮フ科小児皮フ科アレルギー科を受診される方の場合は、ご希望により順番を飛ばして先に診察しますので、受付でお申し出ください(予約なしで来院される場合、診療時間や臨時休診日にご注意ください)。すぐに皮膚科に行くのと明日皮膚科に行くのとでは、その後の治り方が全然違うので、本日中に来院してください。
当院では、皮膚科専門医の院長がやけど(熱傷)の治療を行います。なお、やけどの面積が広い場合、当院では対応できませんので救急病院での対応となります。
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数日前にやけどをしたけど、
治ってこないし、痛い方
職業柄、頻繁にやけどをされる方は慣れてしまっていて、軽症のやけどですと、ご自身で対応されている方もいらっしゃると思います。ところが、いつもと違ってやけどが全く治らない・・・この場合、やけどが深かった、または、ばい菌が感染した、といった可能性があります。そのままにせず、皮膚科を受診してください。
病態と分類
やけどは熱湯、油や火など高温のものに接して生じる通常のやけどと、湯たんぽなど50度程度のものに長時間接して起こる低温熱傷があります。
やけどでは熱湯などで受傷した直後から赤みや腫れが出てきますが、数日後も水疱(水ぶくれ)や腫れが進行していきます。水疱になる前に、早めに皮膚科を受診するのがポイントです。
やけどは深さに応じてI度熱傷~III度熱傷に分類され、治療が異なってきます。当院では、III度熱傷で手のひら2枚分、II度熱傷で手のひら15枚分くらいまでの面積のやけどの治療が可能です。
当院における治療
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ステロイド外用薬
受傷初期のやけどにステロイドを外用することは、学会のガイドラインでも提案されていることです。特に受傷して数時間以内に塗ると効果が高いです。やけどした後に水ぶくれになって痕が残る確率を低減することができます。
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その他の外用薬
II度熱傷の塗り薬としては、トラフェルミンスプレー(特に受傷して1週間以内)、ブクラデシンナトリウム軟膏、トレチノイン トコフェリル軟膏、プロスタグランジンE1軟膏などがあります。貼り薬としては、銀含有ハイドロファイバーがエビデンスの高い治療となります。深達性 II 度熱傷やIII度熱傷による慢性期の潰瘍の治療としては、カデキソマー・ヨウ素、スルファジアジン銀クリームなどがあります。
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抗生物質
小児や持病がある方の場合は、ばい菌を殺す飲み薬を併用します。キズが綺麗な場合は併用しないこともあります。
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消毒
褥瘡(床ずれ)などのキズには消毒を行わないことが一般的になって10年以上経ちますが、やけどは感染すると症状が進行するため、現在でも皮膚科学会のガイドラインで消毒(またはシャワー等)を行うことが提案されています。
!日常での注意点
小さいやけどでも、感染していないか、治り具合はどうか、などによって外用薬や抗生物質の処方は刻々と変化していきます。したがって、やけどをして1週間から10日くらいは、毎日または2日に1回くらい、こまめに通院されたほうがいいと思います。ガーゼ交換もできるだけ、我々プロにまかせていただいたほうが安心できるかと思います。
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執筆者:
今井康友(医学博士、皮膚科専門医、アレルギー専門医)