接触皮膚炎(かぶれ)とは?
接触皮膚炎(かぶれ)は、何かに触れることによって皮膚炎が生じる疾患です。刺激性接触皮膚炎と、アレルギー性接触皮膚炎があります。
野田阪神駅前いまい皮フ科小児皮フ科アレルギー科では、皮膚科専門医、アレルギー専門医の院長が接触皮膚炎、マスクかぶれの治療を行います。福島区、此花区で接触皮膚炎、肌のかぶれにお悩みの方はお気軽にご相談ください。
接触皮膚炎(かぶれ)の原因
1
刺激性
接触皮膚炎
マスクかぶれが増えています。マスクで擦れる刺激で、マスクをしている部分だけが赤くなってしまったことはありませんか?マスクの質が悪い場合や、サイズが合っていない場合に「マスクかぶれ」になりやすいです。声を出すたびにマスクがずれて鼻が出てしまい、マスクの位置を直している人がいますが、マスクで皮膚がゴシゴシと摩擦によって物理的に刺激されているので、「マスクかぶれ」の原因となります。不織布マスクでも、皮膚に接する面だけ綿になっているものや、ガーゼを内側に挟むのも良い方法です。また不織布は内部に熱がこもりやすく、マスクの中だけ「あせも(汗疹)」やニキビも、できやすくなります。
アルコールによる手荒れは、アレルギーでは無く、アルコールそのものによる物理的な刺激による皮膚炎です。アルコールでなくてもウイルスは死滅するので、ベンザルコニウム塩化物などを主成分とする別の手指消毒液に変更していただくことが有用です。
2
アレルギー性
接触皮膚炎
普通の人は触っても大丈夫だけど、アレルギーのある人が触ると皮膚炎が発症するというのが、アレルギーによる接触皮膚炎です。原因物質は、目薬、金属(指輪、ピアス、歯科金属)、毛染め、洗剤、シャンプー、化粧品、植物などがあります。原因物質に触ってからすぐではなく、数時間から2日経ってから症状が発生します。この原因物質が思ってもみないものだったりしますので、 原因検索としては、パッチテストがあります。原因になりそうな物質を実際に患者さんの体に貼付して、実際に皮膚炎が発症するか調べます。 例えば、月曜日に貼ったら、水曜日に結果を判定します(その後に判定日が追加になることもあります)。月曜日と火曜日は、お風呂に入れませんから、冬のみ行う検査です。当院は原則として患者希望項目のパッチテストは行っておらず、他院紹介となります。条件によっては当院でパッチテストができる場合もありますが、保険のルール内でパッチテストができるかどうかは、診察してみないと分かりません。可能と判断した症例に関しては、完全予約制で月・水曜の午前中にパッチテストを行います。
代表的な接触皮膚炎の部位と原因物質の例
(接触皮膚炎診療ガイドライン(日皮会誌:130(4),523-567,2020)より引用)
部位 | 原因物質の例 |
---|---|
頭 |
毛染め、シャンプー、ヘアピン |
顔面 |
化粧品、日焼け止め、空気伝搬するもの(樹脂、ホルマリン、スギ花粉) |
眼周囲 |
目薬、眼軟膏、化粧品、まつげエクステ、ビューラー(金属) |
口唇 |
口紅、リップクリーム、食物(マンゴー)、タバコ |
耳 |
ピアス(金属) |
頸部 |
ネックレス、装飾品、シャンプー |
わき |
制汗剤、香水 |
体 |
衣服(柔軟剤)、ベルトのバックル(金属)、寝具の防かび剤 |
腕 |
ブレスレット |
手 |
植物 |
外陰部 |
避妊用器具、薬品 |
大腿 |
切削油、硬貨、鍵(金属) |
下腿 |
消毒液、外用薬 |
足 |
靴下のゴム、靴(接着剤)、抗真菌外用薬 |
当院における治療
原因を特定、除去することが最も大切です。同時に、短期間だけステロイド外用薬と抗アレルギー薬を用います。原因が除去されれば、通常1~2週間以内に治ります。職業がら原因を避けることができない場合、手袋やリモイスバリア®(撥水剤=塗る手袋)などを活用して原因物質に触らないようにします。
!日常での注意点
マスクかぶれは、予防が大切です。自分にあったサイズのマスクを選びましょう。マスクにきびの対策には、中の皮膚の汗はこまめに拭き取りましょう。保湿剤などのスキンケアも有用です。マスク関連の皮膚トラブルは皮膚科を受診してください。
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執筆者:
今井康友(医学博士、皮膚科専門医、アレルギー専門医)