手汗にオキシブチニン塩酸塩外用剤

12歳以上の手汗(原発性手掌多汗症)を改善する新薬「アポハイドローション」が、保険適用になりました。今まで、当院では手汗と足汗には硫酸アルミニウムカリウム(保険適用外)を推奨してきましたが、それでも治らない場合、新しい薬(保険適用)があります。

新薬である「アポハイドローション」は抗コリン剤に分類され、発汗を命令する物質を阻害することで、手の汗を止めます。使い方ですが、寝る前に塗ってそのまま就寝して朝に洗い流すことを、4週間行います。副作用により(抗コリン作用)、目の調節障害、頻脈、尿閉、便秘、口が渇く、眠気やめまいの可能性(自動車運転注意:禁止ではありません)が指摘されておりますが、1%以上でおこる、よくある副作用としては、塗った部分の皮膚炎と口渇が報告されています。禁忌もあり、緑内障、排尿障害、心疾患、イレウス、重症筋無力症の患者さんには処方できません。保険のルールにより、現在のところ、1回につき2本まで、1ヶ月4本までの処方になります。薬価は、3割負担の方で約700円/本です。

なお、汗(手汗、足汗、脇汗、全身の汗)に有効な治療は、他にもいろいろあります。詳しくはこちら。