足や脇だけではなく、手の多汗(手掌多汗症)で受診される患者様が多いです。試合や試験で手に汗をかいてしまい、答案用紙が破けてしまうような症状です。大人だけでなく、塾に行き始めた小学生にも、よくあります。なぜストレスによって精神性発汗が起こるのか医学的に解明はされていませんが、交感神経が過剰に興奮して起きるとされています。治療には、

 

  • プロバンサイン(プロパンテリン臭化物)内服(保険適応あり)
  • 漢方薬内服 (保険適応あり)
  • 手汗用の制汗剤保険適応外、1980円(10%税込)/40g)

市販の制汗剤は塩化アルミニウムが主成分ですが、これを塗っても治らない方が受診されるため、当院では乾燥硫酸アルミニウムカリウム外用クリーム(DTube)を制汗剤として採用しています。こちらは、小学生でも使用可能です。

 

などがあります。なお、手のひらへのボツリヌス注射(自費診療)や神経切除手術などは、当院では行っておりません。

処方薬として、外用のコリン剤があります。手の汗に関しては「アポハイドローション(12歳以上)」が、脇の汗に対しては治療手段が多く、外用剤として「エクロックゲル」や「ラピフォートワイプ(9歳以上)」が保険適応となっており、暑くなってきたので処方する機会が増えてきました。汗が減ると脇の臭い(腋臭症)も改善します。