シミ取りの治療を皮膚科で行うべき理由

皮膚科専門医、院長の今井です。当院でも、ピコレーザー「ピコシュア」を用いた「シミ取り治療」を行っています。

「シミ取りなら美容外科・美容皮膚科で」と思う方もいらっしゃいますが、私はあえて「皮膚科専門医にこそシミ取りを任せてほしい」と声を大にしてお伝えしたいのです。

その理由は、ただ一つ。

「シミ」と「皮膚がん」を確実に識別できるのは、長年皮膚がんを診てきた医師だけだからです。

 

シミ?皮膚がん?診断が必要

実は、シミ取りレーザーで最も危険なのは「皮膚がん」をシミと診断することです。見た目はただのシミに見えても、実は初期の皮膚がんだったというケースは、皮膚科医であれば誰でも複数経験しています。私自身、20年間以上の皮膚科医としてのキャリアの中で、がん治療認定医の取得に至るくらい徹底的に皮膚がんを診察・治療してきましたが、レーザーを当てたら絶対にいけない皮膚がんの方が、美容外科でレーザーを当てたらシミが悪化したというケースは嫌というほど経験してきました

「シミ取りしかしたことのない医師」には見えないもの

ここが一番重要なポイントです。美容外科やシミ取りを専門にしている医師の中には、皮膚がんを一度も診察したことがないという方が驚くほど多くいらっしゃいます。もちろん上手な先生もたくさんいます。
でも、皮膚がんを診たことがない先生は、「がんに見えるシミ」を見抜く感覚が育ちません。

「直美先生(仮名)はシミ取りがすごく上手で、インスタも綺麗だから」と勧められて行かれたのに、実はそのシミが初期の皮膚がんだった……という懸念があると思います。

だから私は言いたいのです。

シミ取りは「美容」ではなく「医療」です。綺麗になるためだからこそ、安全・安心でなければならない。その安全・安心を担保できるのは、

「シミ取りを100人した」医師ではなく、実は
「皮膚がんも100人診てきた」医師です。

当院のシミ取りが「安心」である3つの理由

  1. ダーモスコピー+最新病変画像解析システムでの2重チェック
     シミは診断が大切です。必ずダーモスコピー検査(拡大鏡)+画像解析システム「レビュー2」で顔全体のお写真を撮影・コンピューター解析を行い、診断を確実にします。したがって、シミ取りの初診時には完全にお化粧なしで受診をお願いします。
  2. がん治療認定医取得医師による、豊富な皮膚がん診療実績
     保険診療を大学病院で長年行ってきた医師には、万が一の皮膚がんを見逃さない感覚が完全に身体に染みついています。実は皮膚がんは珍しい疾患なので通常のシミ治療だけの医師ではなかなか経験できません。
  3. 当院のピコレーザー「ピコシュア」は従来のQスイッチレーザーよりも合併症が少ないというエビデンスが豊富に存在します。

最後に、患者さんにお伝えしたいこと

シミ取りは一生に一度の治療ではなく、継続して行っていく治療です。美容外科(美容皮膚科)で3ヶ月おきにメンテナンス治療をずっと何年も継続している方もいらっしゃることでしょう。50代、60代になっても新しいシミはできますが、その新しいシミは本当にシミなのでしょうか?新しい皮膚がんが途中から出てくることもあります。これをちゃんと診断していく必要があります。
 
最後に、当院でシミ取りで受診された患者さんの写真を出しておきます(患者さんの許可を得て掲載しております)。
 
この3年間で鼻のシミが出てきたそうですが・・・
もちろんこれはシミではなく、基底細胞がんという「皮膚がん」です。
当院でのレーザー治療はお断りし、拡大切除手術となりました(病理結果も基底細胞がんでした)。
 
皮膚がんの診療経験がゼロの「シミ取り専門医」にはこの皮膚がんの診断は難しいと思います。
これが、私が、シミ取りは皮膚科医がやっているクリニックに行くべきだと考える理由であり、わざわざ当院でシミ取りを提供している理由です。