院長が著者(単著)の、自然免疫系の細胞である2型自然リンパ球アトピー性皮膚炎に関する論文(総説)が、国際英文医学雑誌であるAllergology International(インパクトファクター: 7.478、出版社:Elsevier)に掲載されました。開業医が単著で書いた総説がインパクトファクターの高い英文誌に掲載されることは、なかなか無いと思います。エディターの大阪大学教授 茂呂和世先生 (2型自然リンパ球発見者)に、厚く御礼申し上げます。

 

論文へのリンクはこちら: https://doi.org/10.1016/j.alit.2023.01.002

 

この総説では、今までの自然リンパ球に関する研究内容を総括すると共に、実際のアトピー性皮膚炎患者さんにおいて、サイトカイン阻害による2型自然リンパ球の変動について簡単にまとめて解説しています。昔は獲得免疫と言って、ダニなどのアレルギーの原因物質がアトピー性皮膚炎の中心的な原因だと思われてきましたが、それだけではアトピー性皮膚炎は病態の説明がつきませんので、最近の研究では、自然免疫、つまりダニやスギといったアレルゲン(抗原)とは関係なく引き起こされる炎症がアトピー性皮膚炎に関与していることが明らかになってきています。このことから、炎症をしっかり抑えることがアトピー性皮膚炎の治療において大切であると考えられます。

 

 

(関連リンク)院長が2022年度に執筆した英語論文はこちら

文責:今井康友(医学博士、皮膚科専門医、アレルギー専門医)