<学校生活管理指導表について>
- かかりつけ患者様の、アトピー性皮膚炎の欄の記載を行っています
- クリニックでは入院検査ができないため、食物アレルギー欄の記載はしておりません
学校生活管理指導表には、文部科学省の様式(学校など)と厚生労働省の様式(保育所など)があります。いずれも、食物アレルギーだけではなく、アトピー性皮膚炎の記載欄があります。アレルギー専門医の小児科の先生が複数のアレルギー疾患を包括的に診察している場合を除いて、この学校生活管理指導表は疾患ごとに異なる医師が記載するルールになっています。皮膚科はアトピー性皮膚炎について記載、眼科はアレルギー性結膜炎について記載、といった具合です。当院は皮膚科のクリニックですので、学校生活管理指導表の表面の食物アレルギー欄の記載ではなく、学校生活管理指導表のアトピー性皮膚炎の部分に関する記載を主な業務として行っております。学校生活管理指導表の「アトピー性皮膚炎」の部分に関して、常用するお薬ならびに、プール指導・紫外線下での活動、動物との接触、発汗後の管理の必要性といった事項に関して記載を行いますので、医師・保護者・学校(保育所)の間で情報共有を行うコミュニケーション・ツールとして活用していただければと思います。単なる書類ではなく、例えば、学校の先生からの問い合わせに対応することもあるツールとなります。その性格上、初診の患者様では、いきなり書類を作成するのは困難であり、学校生活管理指導表の作成は原則として、かかりつけ患者様しか対応が難しい書類となります。また、学校生活管理指導表はアレルギー疾患に関する特別な配慮が学校側に必要である児童が提出するものであって、全てのアトピー性皮膚炎患者様が学校に提出する義務があるわけではございません。実際、アトピー性皮膚炎の児童でも提出する必要がある児童は、わずかではないかと考えています。
一方で、当院では新規の患者様に関しては、学校生活管理指導表の食物アレルギー欄の記載は原則として行っておりません(院長が開業前からの、かかりつけ患者様を除く)。学校生活管理指導表の食物アレルギー欄を作った行政側の狙いは、保護者の単なる心配(ご不安)や独自の判断、血液検査だけを根拠に自主的に除去してしまっている食物がある場合は、望ましい状態ではないので、病院で食物経口負荷試験など詳しい検査を行って正しい診断に導かせる、ということにあります。当院は入院設備のない皮膚科クリニックですので、食物アレルギーを診断するための食物経口負荷試験は現在行っておらず、入院が可能な近くの連携施設をご紹介しております。なお、アレルギー専門医を持っている先生がちゃんとした食物経口負荷試験をできる施設は減少傾向にあり待ち時間が数ヶ月に及んでいるのが実態です。なお、食物アレルギーが関与する幼児のアトピー性皮膚炎は非常にまれであると皮膚科では考えられています。