アトピー性皮膚炎の治療は、ここ数年で大きな変革がありました。従来の「対症療法」に加え、皮膚の炎症やかゆみを引き起こす原因そのもの(IL-4、IL-13、IL-31などのタンパク質)をピンポイントで抑える新規バイオ医薬品(注射薬)が保険適用となり、患者様の選択肢が飛躍的に広がりました。

先日は、当院の院長の今井が、アトピー性皮膚炎の新規治療をテーマとした講演会にて演者を務めさせていただきました。会場は写真の通り大盛況で、当日は140人を超える皮膚科医にご参加いただき、熱心な質疑応答が行われました。日頃より同業の先生方からご相談をいただく機会も多く、こうした医療従事者向けの講演を通じた「知見の共有」も、当院の大切な役割の一つと考えております。

かゆみ・皮膚症状に直結する代表的な新規治療薬

現在、当院でも特に高い治療効果を実感される患者様が増えているのが、以下の3つの注射薬です。保険で処方するためには、当院などに6ヶ月以上(ミチーガは1ヶ月)継続して通院し、ステロイド外用剤が300グラム以上(ミチーガの場合は抗ヒスタミン剤が1剤以上)処方されているのにアトピー性皮膚炎が悪化したまま、などの保険適用の条件を満たす必要があります。

  • デュピクセント(一般名:デュピルマブ) 皮膚の炎症やバリア機能低下の根本原因である「IL-4」と「IL-13」の働きを同時にブロックします。重症アトピー性皮膚炎に対して豊富な使用実績があります。

  • イブグリース(一般名:レブリキズマブ) アトピー性皮膚炎の湿疹や炎症に深く関与する「IL-13」に特化して強力に抑制します。初回導入期を終えた後は「4週間に1回」の投与で効果を維持できるので、多忙な方にも適した選択肢です。また価格も多剤の半額程度です。

  • ミチーガ(一般名:ネモリズマブ) 「とにかくかゆみが強くて夜も眠れない」という強いかゆみ(IL-31)に対してピンポイントで作用し、アトピー性皮膚炎を改善します。

「慢性疾患」に新しい一手を

「強いステロイドを塗り続けても症状が安定しない」「夜中に無意識に掻いてしまい熟睡できない」とお悩みの方は少なくありません。新規治療薬(バイオ医薬品)は、そうした「治りにくいアトピー」の悩みを根本から変える可能性を秘めています。価格が高く、保険のルール上、継続して通院できる(=ステロイド外用剤等をしっかり使用できる)方だけが保険適用(忙しくて定期的に来れない方は保険適用外)、といった制限のある薬ではありますが、バイオ製剤に関してもお一人おひとりの生活に合わせた治療プランをご提案しています。つらい症状を我慢せず、アトピー性皮膚炎のバイオ製剤に関しては広範囲から患者様が通院されている当院までご相談ください。