ごく一部のお薬に関して、保険給付割合が7割ではなくて6.9割〜6.5割程度になってしまう新制度が10月から開始されます。

選定療養指定外の先発医薬品(デルモベート、マイザー、アンテベートなど)を使っていた方には関係ないのですが、10月以降に発行した処方箋から、このページの下に記載している後発品のシェアが大きいごく一部の先発医薬品(リンデロンV、ヒルドイドなど)については、保険でカバーされる金額が減る・・・先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1相当の金額が保険でカバーされなくなる(=差額は自分で負担してね)という新制度について解説します。制度は複雑ですので、詳しくは、こちらの厚生労働省のサイトをご覧ください。なお厚生労働省のサイトは頻繁にURLが変わるのでリンク切れについてはご了承ください。ただ、この10月からの新制度で、薬局での患者様の負担金額がいったいいくら上昇するのか??ネットで調べてもどこにも無いので、概算してみました。

負担金額が先発増える薬剤のうち、当院でよく処方しているものが下の表です。安いものから高いものまであります。例えばダラシンTゲル1本の場合は、今まではこども医療で0円だった負担金額が、薬局で約10円支払うことになります。ここでダラシンTゲルの後発品を選べば、この追加の10円を支払う必要はありません。一方、ヒルドイドソフト軟膏をジェネリックに変更しない場合は、今まではこども医療で0円だった負担金額が、25gチューブ1本あたり約100円を薬局で追加で支払うことになります。ここでヒルドイドの後発品(成分は同じです)を選べば、この追加の100円を支払う必要はありません。

今まで当院で対象になる先発品(下記)を処方していた患者さんは、下記の通り多少の金額上昇がありますので、いったんは先発品と後発品でどれくらい負担金額が変わるを、薬局でお尋ねいただく、という運用に変更になるかと思います。後発品(ジェネリック)の場合は、従来と同様の負担金額のままです。過去に該当する後発品(具体的にはリンデロンの後発品やヒルドイドの後発品)を処方されたことがあり、副作用または効果が無かったことがあった患者様に関しては、前述の金額アップなしで先発品も保険適用とする例外規定が厚生労働省から発表されていますが、その事象が他院であった場合は、お薬手帳やマイナンバーカードによる過去の後発医薬品の具体的な処方歴の記載が保険請求上で必要なため、必ず該当部分のお薬手帳などをご持参いただく必要がございます。詳しくは、厚生労働省におたずねください。

 

追加負担金 参考値 (単位:円)概算なので大きくズレる可能性があります 
 3割負担の場合 0割負担の場合(こども医療)
ダラシンTゲル1%         1本(10g)¥6¥9
アクアチムクリーム1%      1本(10g)¥3¥4
アクアチムローション1%     1本(20ml)¥6¥8
リンデロンーV軟膏0.12%      1本(10g)¥19¥28
リンデロンーVクリーム0.12%    1本(30g)¥73¥104
リンデロンーVローション0.12%  1本(10ml)¥19¥28
フルメタローション        1本(10ml)¥1¥1
ラミシールクリーム1%      1本(10g)¥12¥18
ウレパールクリーム10%     1本(20g)¥3¥5
オキサロール軟膏25μg/g    1本(10g)¥40¥57
プロトピック軟膏0.1%      1本(5g)¥27¥38
ディフェリンゲル0.1%      1本(15g)¥105¥150
ヒルドイドソフト軟膏0.3%    1本(25g)¥62¥89
ヒルドイドクリーム0.3%         1本(25g)¥62¥89
ヒルドイドローション0.3%   1本(50g)¥129¥184
ヒルドイドフォーム0.3%     1本(92g)¥138¥197
アラセナA軟膏3%       1本(2g)¥27¥38

なお余談ですが、厚生労働省の8/21の疑義解釈によると、生活保護の方の場合は上記の差額を払ったとしても先発品を処方するのは認められない模様で、10月からは必ず後発医薬品を使うことになります。