顔のシミは、年齢とともに少しずつ目立つことがあります。以前は気にならなかった色素が濃くなったり、メイクで隠しにくくなったりすると、シミ取りを検討する方も増えてきます。しかし、シミにはいくつかの種類があり、見た目が似ていても原因や適した治療方法は異なります。
シミ取りには、ピコレーザーやIPL光治療などさまざまな方法があります。ただし、すべてのシミに同じ治療が適しているわけではありません。ここでは、シミができる原因や種類、ピコレーザーとIPL光治療の特徴、施術後の経過や注意点について解説します。
シミができる原因
シミができる主な原因は、皮膚にメラニンが蓄積することです。メラニンは紫外線などの刺激から皮膚を守るためにつくられる色素で、通常は皮膚のターンオーバーとともに排出されていきます。しかし、紫外線を長期間浴びたり、加齢によって代謝が変化したりすると、メラニンが排出されにくくなり、シミとして残ることがあります。
また、シミは紫外線だけが原因ではありません。ニキビや湿疹による炎症、肌をこする習慣、ホルモンバランスの変化などが関係することもあります。そのため、シミ取りを考えるときは、見た目の色や濃さで判断せず、何が原因で生じているのかを確認することが大切です。
シミには複数の種類がある
よく見られるシミの1つが老人性色素斑です。顔や手の甲など紫外線を浴びやすい部分にできやすく、輪郭が比較的はっきりした茶色の斑点として現れるのが特徴です。また、そばかすと呼ばれる雀卵斑は、鼻から頬にかけて小さな茶色い斑点が広がりやすく、遺伝的な要素も関係しています。
このほかにも、頬を中心に左右対称に広がる肝斑や、シミと間違われることもあるADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、ニキビや湿疹のあとに残る炎症後色素沈着などがあります。一見すると同じようなシミに見えても、実際には性質が異なります。治療方法を選ぶ前に、まずシミの種類を見極めることが重要です。
ピコレーザーによるシミ取りとは
ピコレーザーは、ピコ秒という非常に短い時間でレーザーを照射する治療です。シミの原因となるメラニンなどの色素にレーザーを当て、細かく砕くことで少しずつ目立ちにくくしていきます。照射時間が短いため、周囲の皮膚への熱による影響を抑えながら治療できる点が特徴です。
照射方法には、濃く輪郭のはっきりしたシミを狙う「ピコスポット」や、低出力のレーザーを広い範囲に照射する「ピコトーニング」などがあります。ピコスポットは老人性色素斑などに、ピコトーニングは顔全体の色むらや肝斑などに用いられることがあります。シミの種類や濃さ、広がり方によって適した方法は異なるため、肌の状態を確認したうえで治療方法を選ぶことが大切です。
IPL光治療によるシミ取りとは
IPL光治療は、幅広い波長を含む光を肌に照射し、メラニン色素に働きかける治療です。レーザーのように特定の波長を集中して照射するのではなく、広い範囲に光を当てるため、顔全体に細かなシミやそばかすが広がっている場合などに用いられることがあります。
老人性色素斑やそばかすなどが治療の対象になる一方、シミの種類によっては適さない場合があります。特に肝斑は刺激によって濃くなることがあるため、IPL光治療を行うかどうかは慎重な判断が必要です。シミの種類や肌の状態を確認したうえで、治療方法を選ぶことが大切です。
ピコレーザーとIPL光治療の違い
ピコレーザーは、ピコスポットで輪郭のはっきりしたシミを狙ったり、ピコトーニングで広い範囲に低出力で照射したりと、目的に合わせて照射方法を使い分けます。一方、IPL光治療は広い範囲に光を照射できるため、細かなシミやそばかすが複数ある場合などに用いられます。
どちらが適しているかは、シミの種類や濃さ、広がり方、肝斑の有無などによって異なります。見た目だけでは判断しにくいシミもあるため、肌の状態を確認したうえで治療方法を選ぶことが重要です。
シミ取り治療は何回受ける?
シミ取り治療に必要な施術回数は、シミの種類や大きさ、濃さ、治療方法によって変わります。ピコスポットでは1回の施術でも色が薄くなることがありますが、すべてのシミが1回でなくなるわけではありません。
ピコトーニングやIPL光治療では、肌の状態やシミの広がりを確認しながら複数回の施術を行うことがあります。回数だけを目安にせず、施術後の肌の反応や色素の変化を見ながら治療を進めることが大切です。
シミ取り治療のダウンタイムと副作用
ピコレーザーを照射したあとは、赤みやヒリヒリ感、腫れなどが現れる場合があります。ピコスポットでは、一時的にシミが濃く見えたり、薄いかさぶたのような状態になったりすることもあります。IPL光治療でも、照射後に赤みや熱感などが生じる場合があります。いずれも肌の状態によって経過には個人差があります。
また、シミ取り治療後には炎症後色素沈着が起こり、治療した部分が一時的に茶色く見えることもあります。治療方法によっては、痛みや赤み、色素脱失などが生じる可能性があります。治療前には、期待できる変化だけでなく、副作用や治療後の経過についても確認しておくことが大切です。
シミ取り後は紫外線対策が重要
シミ取り治療を受けたあとの肌は、普段より刺激を受けやすい状態です。治療した部分を強くこすったり、できたかさぶたを無理にはがしたりすると、炎症が長引くことがあります。洗顔やスキンケアをするときも、できるだけ肌をこすらず、やさしく触れるようにします。
紫外線対策も欠かせません。シミ取り治療後に強い紫外線を浴びると、色素沈着につながることがあります。日焼け止めを使用し、必要に応じて帽子や日傘なども取り入れながら、治療した部分を紫外線から守ることが大切です。
シミ取りを受ける前に皮膚の状態を確認する
シミ取りでは、治療機器を選ぶ前に、まずシミの種類を見極めることが大切です。老人性色素斑やそばかすなどでは、ピコレーザーやIPL光治療が選択肢になることがありますが、肝斑が混在している場合は刺激によって色が濃くなる可能性もあります。ADMや炎症後色素沈着も、それぞれ状態に合った治療を選ぶ必要があります。
また、茶色や黒色の病変がすべて一般的なシミとは限りません。急に大きくなった、形や色が変わってきた、出血するといった変化がある場合は、シミ取り治療を受ける前に皮膚科で確認することが大切です。シミ取り治療を検討する際は、肌の状態を診てもらい、治療方法や回数、副作用について説明を受けたうえで進めていきましょう。
