日本皮膚科学会総会でアトピー性皮膚炎の新しい治療について講演させていただく機会をいただきました。超有名な、京都大学の椛島教授、自治医科大学の大槻教授に座長をしていただきました。朝早くからの講演にも関わらず、最初の演者の私が話しを始める前に会場はほぼ満席で、よく会場を見渡しますと、皮膚科の教授の先生方も聴衆席に座っておられまして、気が引き締まるとともに、アトピー性皮膚炎の「原因物質」であるサイトカインをターゲットにした新規の治療法がどんどん出てくるこの分野がいかにホットであるか、実感しました。

新しいアトピー性皮膚炎の治療は、当院(いまい皮フ科)で可能なものと、まだ対応できないので兵庫医科大学病院で行っているものがあります。毎週木曜日は、院長の今井が兵庫医科大学病院で診察を行っているため、いまい皮フ科のほうは休診となっております。なお、新しいアトピー性皮膚炎の治療は、どれも、ステロイド外用薬を大量に(半年で300g以上など)外用している患者さんであることや、抗アレルギー薬を内服していることが保険適応の条件となっております(国が決めたルールがたくさんあります)。簡単に言うと、新しいアトピー性皮膚炎の治療薬は、今までは効果がいまひとつであったステロイド外用薬の効果がよくなる薬、と理解することもできると思います。当院は皮膚科学会が推奨するステロイド外用剤を適切に使用する標準療法のみを行っており、脱ステロイド療法は行っておりません。